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第7回 RFPの落とし穴。時間と工数をかけたにも関わらず、システム選定に失敗するのは何故か?

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  人材・タレントマネジメントシステムを導入するとなった際、RFPRequest for Proposal/提案依頼書)を作成し、複数のシステム提供ベンダーに提案を依頼する企業は少なくありません。この選考プロセスは、まずRFP作成自体に時間がかかりますし、ベンダーからの質問への回答、提出された提案の精査、プレゼンテーションの準備・開催など、かなりの工数を要します。

 

しかし、そこまで時間と工数をかけ、しっかりと選考したはずなのに、導入に苦労し、やっとリリースしたシステムは、当初期待したような使い勝手ではなく、効果が出せていない、というケースを耳にすることが多くなっています。


例えば、こんな会社の例があります。
経営層から、タレントマネジメントを強化してほしい、そのためにシステム導入も検討してよいと言われた。
人事に関わる組織や人すべてに、人材・タレントマネジメントのためのシステムに搭載してほしい機能を聞き、要望する機能リストとしてまとめた。
RFP作成の作法がわからないので、全体のまとめは、情報システム部と外部コンサルティング会社に依頼した。
RFI(Request for Information/情報提供依頼書)の回答内容から、4社のベンダーに絞り込み、RFPを渡し、提案を依頼した。提案書作成期間は約1ヵ月。
人事本部長や情報システム部長など関係者12人を集めて、1日2社、2時間のプレゼンテーションをしてもらう。2時間の内訳は、1時間半がプレゼンテーション、30分が質疑応答。
提案書内の機能要件のマッチング率をベースに、プレゼンテーションでの評価を加えて関係者で話し合い、最終決定。

 

 さっそく始まった導入プロジェクトは難航、リリースも半年遅れました。そして、リリースされたシステムがうまく使えていない、という状況に陥っています。

 

このような「正式」なプロセスを踏んだにも関わらず、どうしてこのようなことが起きてしまうのでしょうか。これまで見てきた失敗例から見えてきた、共通点が以下の3点です。

 

「担当者全員」の「望み」をかなえようとする。

「公平」であろうとしすぎる。

ベンダーが「できない」と言いづらいRFPになっている。

 

他にも、失敗原因を挙げることはできますが、本稿では、これら3つについて、何が問題なのかを整理し、失敗を回避するためには何を考え、どうしたらいいかをまとめていきたいと思います。


>>1.「担当者全員」の「望み」をかなえようとする。

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