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第16回 「人材データの散在」を解決するためのシステム選定のポイントと、「統合人材データハブ」の可能性

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人材データが散在していることが大きな課題となっている

 2023年に入った頃から、HR Tech業界界隈で、「データ連携」「システム間連携」「特定のシステムとAPI連携」といった宣伝文句が多くみられるようになりました。同時に、当初特定の業務に特化したサービスを提供していたシステムが、他の領域に支援領域を拡大する("オールインワン"を目指す)動きも加速してきています。その背景には何があるのでしょうか?

 ここ10年ほどで人事系のシステム(に限らずですが)の主流はSaaSのシステムとなり、導入のハードルが大幅に低くなっています。多くのシステムが個別の業務やプロセス・人事施策に強みを持っていることが多く、社内にいくつもの人事系システムが稼働していることも珍しくありません。その結果として、一人の従業員の情報が方々に散在している、という状況に陥っている企業を多数みてきました。

 このような状況と並行して、「人的資本の情報開示」「有価証券報告書への従業員情報の開示」など、人材関連の情報も公開することが求められる大きな流れが生まれてきました。特に前者では、自社の成長ストーリーに合わせた情報開示が求められるため、統合的な人材データを扱っていくことが必須となります。

 また、労働力の確保が難しくなると同時に、働き方が多様化し、全社ひとくくりでの人材マネジメントが通用しないという課題も多くの企業で顕在化しています。適切な選択をしていくためには、自社の現実を的確に把握、分析していくことも急務となっています。

 そんな差し迫った状況にも関わらず、人材データが散在し、担当者たちがその扱いに苦労している。こうした状況をどう改善していくことができるのかーーという課題が多くの企業で顕在化してきたことが、今HR Tech界隈で「連携」「オールインワン」といった流れが起きている背景です。


一般的に示される2つの解決策 「連携」か「オールインワイン」か

 具体的な解決策としては、以下の2つの方向が主流となっています。

  ➤ 散在するシステムはそのままに、データを連携する
  ➤ 散在しているシステムを一つのシステムに統合していく

 それぞれの解決案についてのメリット・デメリットと、選択の際のポイントについて整理したいと思います。是非、参考にしてみてください。

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