第2回 降格とモチベーションアップは共存できる?

モチベーションエンジニアリングという独自のサービスを提供して急成長を遂げている株式会社リンクアンドモチベーション(以下LMI)。

人事関係の方なら、ご存知の方が多いのではないでしょうか?

そのLMIでは、一年を4期に分け、3カ月を「1年」と考えて人事のマネジメントを行っているといいます。

ですから、評価も年に4回、賞与も年に4回、昇格も年に4回という具合です。

ここで昇格と書きましたが、これは「降格」も含めたものです。そして、降格は別に珍しいことではないというのです。

採用が難しい昨今、現在いる社員にどれだけモチベーションをもって頑張ってもらうのかは、多くの企業にとって大きな課題となっているはずです。

そのソリューションを提供している会社で、年に何回も、「降格」が行われている。

少し狐につままれたような感じです。

しかし、先日LMIの方にお話を伺う機会があり、なるほどと感心しました。

私が特に感心したポイントは2つです。

ひとつは年に4回の評価があることで、「降格」を挽回する機会は3カ月後に用意されます。1年間じっと耐えるといった悲壮感が漂わないわけです。

そして、これだけ評価の機会があれば、大抵の人が一回は「降格」を経験することになるといいます。つまり、「自分だけに起こった悲劇」ではなくなります。

この仕組がうまく動き出すと、ほとんどの人が過去の感情を引きずることなく、前に向かって動き出せるようになるという仕組です。

もうひとつは、直近3カ月間に起きたことは、上司にしても本人にしても、記憶が鮮明に残っているため、評価に対する納得感が非常に高いといいます。

もちろん、上司の理解と能力が前提ですが、半年・1年と評価対象期間が長くなると、どうしても直近の記憶に引きずられがち、というのは多くの「人事考課」経験者からしばしば聞くことです。

つまり、「降格」も、珍しいことではなく、結果には納得できて、自分の努力ですぐに挽回できるとなると、かえってモチベーションのエンジンになりる、ということ。

年齢が上がれば自然に給料もあがる、という給与体系を維持することがむつかしくなった今、「降格」をただただ「できるだけ避けたいもの」として最初からレッテルを貼らず、、先につながる仕組として運用することができるということが新鮮でした。


実は、LMI様には私たちの会社のRosic戦略人事情報システムを使っていただいています。今回の話は、そのお付き合いの中で伺いました。

このような、LMI様自身の「人」に対するお話を中心に伺った「導入事例」を近々Webに公開する予定です。」

(→ 完成しました。)

ご提供されているサービスもユニークですが、それを支えている自社の人事制度が更にユニーク。原稿にはそのあたりをふんだんに盛り込みました。

ご期待ください。

(2007年9月13日)

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