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第5回 何故、「タレントマネジメントシステム」で成果を出せなかったのか?今、日本の人事が求めるべきシステムとは?

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「タレントマネジメントシステム」と呼ばれるシステムが、日本で一般的に使われ始めたのは、2010年頃からである。

 それから約7年、「導入したけれど、利用を止めてしまった」「目標管理の運用にだけ使っている」「標準的な個人情報を閲覧する電話帳のようなものになっている」「従業員サービスにはなったが、人事部がプロフェッショナルとして経営に貢献するという効果は得られなかった」という声を、実際に多数聞くようになった。
それなりの費用や工数をかけ、期待をもって導入したシステムが、どうしてこのような結果に終わってしまったのだろうか。

今回は、何故「タレントマネジメントシステム」で成果を出せなかったのか?
今、日本の人事にはどんなシステムが求められているのかについて、整理してみたい。 そこには、単に各社の担当者の努力不足ではない、構造的な問題がある。

本題に入る前に、「人事がシステムで成果を出す」とは、何を指すのか、これからの話の前提を明確にしておこう。
タレントマネジメントシステムを導入して、以下のようなことを実現した(したい)というケースは少なくない。

◇採用管理プロセスをシステム化した
◇目標管理を紙の運用からワークフローシステムに置き換えた
◇社員の基本情報を全社で共有できるようになった

確かにこうしたことも、今までできていなかったこと、できたらいいと考えていたことを実現したという意味では、「成果を出した」と言えるのかもしれない。
しかし、人事の本質的なタスク、「短期・中期・長期のビジネス目標を、組織・人材の側面で支援する」という視点から見れば、 そこで生み出されたものは、まったく物足りないのではないだろうか。
厳しい見方をしてしまえば、単に業務の効率化を果たしたり、人事の「手間」を削減したにすぎない。

本稿では、「人事がシステムで成果を出す」ということは、システムで実現したことが、経営やビジネスに貢献している、少なくとも貢献するための道への一歩を踏み出している、という前提で、話を進めていきたい。

>>システム名が変わったからと言って、無条件に一元化の課題は解決しない

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