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第8回 システム投資効果に大きな差を生む
今、人事に求められる「人材データマネジメント」の考え方

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「一元化などできて当たり前」と考える前に、理解しておくべき求められる「人材データ」の特徴

図3:「土台」が弱いために、有効なデータ活用にまで至らない

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もし、これを読んでいる方の所属している会社が、一定以上の社歴を持つ日本企業だとしたら、以下のような人材・組織マネジメントに必要なデータの特徴を理解しておく必要があります。

▶ 時間軸の概念(履歴管理、基準日など)を求められる
▶ 多様な種類のデータを扱っていく必要がある
▶ 仮説検証の繰り返しに耐えうる管理が求められる



<時間軸の概念(履歴管理、基準日など)を求められる>
単に「現在」のスナップショット情報だけでは、重要な場面で質の高い判断をすることは困難です。そのため、履歴情報を適切に管理することが求められます。 しかし、人材データというのは、変化していく単位が個々人、変化のタイミングはバラバラ、基準日もシステムがシンプルに決めるものだけでは不十分であるといった、やっかいな特徴があります。この点を甘く考えてしまうと、活用できないデータがただ溜まっていくだけ、という状況に陥っていきます。

<多様な種類のデータを扱っていく必要がある>
戦略人事、ビジネス・経営に資するデータ活用を目指すのであれば、必要となるのは、既存の人事給与システムに格納されているような、定型的で静的なデータだけでは不十分です。現場で発生する情報、仕事やタスクに関する情報、人件費のデータなど、今までは一元化の対象になっていなかったようなデータを確実に集め、活用できる形で格納していくことが求められます。

<仮説検証の繰り返しに耐えうる管理が求められる>
様々な種類の、時間軸や階層の概念も含む履歴データを、人の思考に合わせて自在に取り出すためには、しっかりとした構造をもったデータベースを構築する必要があります。そのためには、まず、システム/サービスでのデータ管理が、自社に必要なデータの性質に合わせて適切な構造で格納できること。加えて、その整合性を担保しながら確実な拡張ができることが必須です。そして、その構築や拡張作業を、人材マネジメントとデータベース構造の双方を理解している人や組織が、責任をもって担当する体制になっていることが望まれます。

こうした性質がある人材データに関して、「必要なデータを確実に集める」「活用できるように格納する」「目的に合ったかたちで自在に取り出す」ことの、ハードルは決して低くありません。

実際に、システム/サービスを導入したのに

✔ そもそも欠損しているデータが多い
✔ 集めたり、連携するのに手作業が必要で、多くの時間を取られている
 (考える時間が取れない)
✔ テンプレート以上の取り出しができずに、結局Excelでの作業が大量に
  残っている


といった状況に陥っているとしたら、人材データマネジメントの土台が構築できていないからなのです。

>>与えられたテンプレートだけでは、自社にとって有効なデータ活用はしきれない

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