第三回 これからの人事 〜 求められる人事担当者像とは? 〜

第一回、第二回と、1998年から現在まで、人事をめぐって起きてきたことについて整理をしてみた。 そこで今回は、これからの人事に何が求められているのか、人事担当者はどういったことを考えていかなければならないのかについて、考えてみたい。 しかし、単なる理想論を掲げても、「できればいいよね」といった絵に描いた餅になってしまう。 そこで、今回は、ある総合電機メーカーの人事マネージャーが作成した「これからの人事」についての考え方を基に2006年頃から多くの企業の人事の人たちと行ってきた研究会で議論してできあがったものの抜粋を提示しよう。

3つの資質

1. ロジカルシンキング
2. やる気
3. リーダーシップ

1. ロジカルシンキング

これは、まず、「情報を重なりなく、漏れなく捉える力」。

特に組織階層が深かったり、マトリックス組織になっていたり、最近ではホールディング制をとって子会社がたくさんあるなど、複雑な状況下で、どうやって情報を整理するかはとても重要になってくる。

「結局は、同じ情報に振り回されていないか」とか、「実は何かが漏れているのではないか」といった、情報感度を持っていることが望ましい。

次に、「課題と実行策を常に連動させる力」。

そもそも、目の前にある課題に対して、「結局、どういうことなのか」、そして、「なぜそのようなことが起こるのか」、掘り下げて考え続けられない人が多い。

それでは、課題解決のための有効な実行策を講じることはできないし、たとえ実行策を計画しても、本質がわかっていないから、PDCAを回すこともできない。

最後に、「実行策を総合的に構成する力」。

人事が直面する課題は一つとは限らない。

ひとつひとつの課題と実行策を総合的に把握して、全体を見ながら構成していく力がないと、単に施策のパッチワークになってしまう。

脈絡の薄いバラバラな施策が行われると、それを受ける現場は白けるし、疲弊していく。

2. やる気

人事担当者は、会社が従業員をどうやって扱うのかを一番近くで見ている人たちだから、「この会社の、この人事部門でどんなに頑張っても僕は報われない」ということを、早い段階で気づいてしまうことがある。

一方で、その割には、人事管理職に就いた人たちの責任は増しているな、と感じている人が多い。そうなると、仕事に魅力を感じなくなっても不思議ではない。

すると、上昇思考のある人は外に出ていこうとするし、社内に残ろうとする人は「マネジャーにならないでそこそこやろう」と思う。後ろ向きな気持ちで、日常業務をこなしている人事担当者が増えていく可能性が高いのだ。
そんななかでも「やる気」を維持していけることは、重要な資質と言えるだろう。

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過去のコラム

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破壊と創造の人事

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