第三回 これからの人事 〜 求められる人事担当者像とは? 〜

第一回、第二回と、1998年から現在まで、人事をめぐって起きてきたことについて整理をしてみた。 そこで今回は、これからの人事に何が求められているのか、人事担当者はどういったことを考えていかなければならないのかについて、考えてみたい。 しかし、単なる理想論を掲げても、「できればいいよね」といった絵に描いた餅になってしまう。 そこで、今回は、ある総合電機メーカーの人事マネージャーが作成した「これからの人事」についての考え方を基に2006年頃から多くの企業の人事の人たちと行ってきた研究会で議論してできあがったものの抜粋を提示しよう。

人事としての「ソーシャルキャピタル」を増やしていく

最後に、人事の「ソーシャルキャピタル」について考えてみたい。

「ソーシャル・キャピタル」とは、一般的に「人間関係資本」と訳され、豊かな人間関係や信頼関係、水平的ネットワークが、社会の中で持つ価値、という意味である。

つまり、人事の「ソーシャル・キャピタル」とは、社内で通用するだけではなく、これからは、社外で通用できる人材になるために社外の人たちとのネットワーク作りを広げようということである。

中央大学大学院教授の中島豊氏によれば、人事として「ソーシャルキャピタル」を考えるときには、3つの種類があると言っておられる。

ひとつ目は、「仕事上のネットワーク」。

これは、組織内の限られた仲間の中で形成されるネットワークで、社内業務をうまく進めていくために役に立つ人間関係だ。

二つ目が、「個人的なネットワーク」。

組織の外で形成されるネットワークで、自分自分の成長を促すために役立つ人間関係だ。

3つ目が、「戦略上のネットワーク」

組織内外を問わず、ビジネスの進むべき新たな方向性に気づき、それを実現するために必要な関係者を集められる人間関係だ。

これら3種類のネットワークを有機的に繋いでいくことで、自身のソーシャル・キャピタルを高めていくことが重要だ、ということだ。

今後、「人事」というのは、外部労働市場に出て、いい形で転職ができる職種になっていくのではないか、と考えている。

新しい企業が成長していく過程で必ず人事のプロが必要になってくるし、日本に進出してくる外資系企業にとって、ドメスティックな人事関連知識は必須だ。

そのときに売れる「人事」になれるかどうかは、これまで挙げてきたような能力や性質をもち、自分で築き上げた「ソーシャル・キャピタル」を持っているかどうかだろう。

企業にどんなに素晴らしいビジネスモデルや製品があっても、それを実現したり顧客に届けたりするのは「人」。その大事な分野を担う人事担当者に、是非発奮してほしいと思う。

次回は、「戦略人事のあり方の視点」について考えてみたいと思う。

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過去のコラム

第八回 これからの人事部のあり方 〜 新たな人事の役割を考える

第七回 人事部をめぐるトピック 8 

第六回 成功するコーポレートユニバーシティ・失敗するコーポレートユニバーシティ

第五回 これからの人材開発部門はどうあるべきなのか?

第四回 戦略人事のあり方の視点

第三回 これからの人事 〜 求められる人事担当者像とは? 〜

第二回 日本の人事の転換点 2  2008年(前後2年)

第一回 日本の人事の転換点1 1998年 (前後2年)

破壊と創造の人事

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